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DC と LAN を接続してみる

生産が終わってもう 7 年経ち、修理も出来なくなった
Dreamcast ですが、今でも熱心なユーザーがいらっしゃいます。
その中には、過去にネットワークに接続していた方もいるでしょう。
接続する度に、大変苦労された事と思います。

が、それも過去の語り草、今ではネットワーク接続機能は
無用の長物と化してしまっています。

しかし、せっかくの接続機能です、もう一度ネットワーク端末として
復活させませんか?五月蝿さと少し遅い事を我慢すれば、電気代削減も
可能です。どうです?有効活用しませんか?

だからといって電話線に繋いでたんじゃ、面白くありませんし、
なにより、速度も電話料金も納得いくものじゃありません。

BBA やそのクローンがあれば、そんなのはすぐに解決できるのですが、
いかんせん、イニシャルコストがかかりすぎます。ブラウザの確保も
今となっては困難を極めます。

じゃぁ、他にどんな方法があるのか?
巷では、Windows の着信接続機能と TA の内戦通話機能を使った方法や、
CR2000 のような擬似交換機を使って LAN に繋げるという方法が
紹介されていますが内蔵モデムを使う為、速度面で不利です。

今回は、速度面で不利な内蔵モデムは使いません。では、何を使うのか?
そう、シリアルポートと RAS サーバです!

これを使えば、BBA を使わなくとも LAN に接続する事が
出来ます。
ブラウザが DP3 に限定(シリアルポート設定の関係上)されてしまって
入手が難しいと思いますが、BBP に比べれば容易だと思いますので
どうにか頑張って入手してください。

この記事を応用して 56Kbps のモデムを繋ぐとか、寮に入ってて
電話回線使えない人は PDC 使ったりしてくださいw

ケーブル製作

ケーブルの回路図は次の通り。
基本的には、吸出し用ケーブルにいくつかの変更を加えたものです。


     Serial port(Modem)                              DC Serial Port


               十--------------------------------十             十十
               |十----------------------------十|          0.1=|
               ||        十---------------十-||-------------十|
   十----------||十   0.1=               | ||             ||
   |  __-- ̄||||      | 十----------十| ||             ||
   | |    1||||   十-|-|1       16|十 ||      /---十||
   十-|6   2|十||0.1= 十-|2       15|---||-十   | 1 |十|
  十--|7   3|--十|   十----|3       14|---十| |   | 2 |  |
  |十|8   4|----十     十--|4       13|-----十 十---| 3 |--十
  |||9   5|-十     0.1十=|5       12|-------------| 4 |
  ||  ̄--__|-十         十-|6       11|-------------| 5 |
  十|------------------------|7       10|-------------| 6 |
    十------------------------|8        9|-------------| 7 |
                |         | 十----------十      十-----| 8 |
                |      0.1=                     |     | 9 |
                |         |                     |     |10 |
                十---------十---------------------十-----\---十


  =…コンデンサ。0.1μFは積層セラミックコンデンサ。
  端子のピンアサインは、基本的に本体側。

ピンアサイン表
ピン番号 EIA-232C DC シリアルポート
1 DCD 5V
2 TXD SCK(外部クロック入力)
3 RXD GND
4 DSR RX
5 GND TX
6 DTR RTS
7 CTS CTS
8 RTS GND
9 RI /Reset
10 - 3.3V

問題があって、DC 側で定義されていない DCD 信号を生成しなくては
いけない事です。

DCD 信号とは、搬送波検出信号の事なんですが、
搬送波の事に関しては専門書に譲るとして、DCD 信号がないと接続した事を
認識できない TA やモデムがあるようです。

もし、そういうモデムがあったら、モデムから出ている
DTR を繋げば良いようです。

レベルコンバータですが、MAX232 でも、その互換品でも良いでしょう。
ただ、どうせなら ADM3202 のような高速通信対応のものにしておくと
後々便利でしょう。
なぜなら、DP3 では 460kbps 迄対応しているからです。
(かの有名な bero 氏によれば、ハードの上限は 1.5Mbps らしいです。)
もっとも、RAS サーバ側が遅ければ意味がありませんが。

RAS サーバ

次に DC と RAS サーバをつなぐ訳ですが、PC を RAS サーバにしたくないですね。
すごい電気代かかるし。
しかし、当初は他に良さそうな方法がなかなか見つからず、
この計画で一番苦労しました。(1 年近くほったらかしになっていた。)

ある時、何気なくネットを徘徊していると、YAMAHA の RT シリーズには
擬似 LAN 機能という、シリアルポートを仮想的に LAN のように扱う機能が
あるというじゃありませんか!じゃあこいつを使って…
と思いきや、ISDN との接続方法しか書いてありません。

さてどうしたものかとググっていたら、
こんな素敵な情報をキャッチ。これで LAN に繋げる事が出来ます。

都合よく RTA50i が入手できたので、これを使ってみます。
マニュアルは HP にあるし、設定も ブラウザ か
telnet から出来るので、本体だけの入手でもOKです。

さて、まずは RTA50i の設定をしてしまいましょう。基本的な設定は省略し、
直接関係する設定のみ載せます。

次の文を、ブラウザでログインして出てくるトップページの下にある
「内部情報」というところに、テキストで設定するところがあるので
そこに以下の文を貼り付けてください。
当然の事ながら、IP アドレス等は自分の環境に合わせて書き直す事。
私の場合は、先程の情報とは異なります。

ip lan address 192.168.1.2/24
ip lan secondary address 192.168.0.1/24
ip lan proxyarp on
ip route default gateway 192.168.1.1
dns server 192.168.1.1
dhcp service server
dhcp scope 1 192.168.1.2-192.168.1.3/24
analog supplementary-service pseudo call-waiting

設定を行う時、ユーザー名を必ず設定してください。そうしないと、
DP3 で設定が行えません。

Dreamcast

いよいよ最後のDCの設定に移ります。一旦isaoにユーザ登録してください。
行わないとネットワーク自体に繋がりません。
ユーザ登録したら、次のように設定します。

もし仮に繋がらなかったとしても、筆者に文句を言わないでください。
この記事は過去の記録に頼ってるんで m(_ _)m



編集後記

製造が終わって 7 年経つ DC で、こんな面倒な事をして大喜びしながら
ブラウジングした馬鹿は、多分私だけでしょうねw
もう Dreamcast の通信対戦はすべて死んでしまっているようなので、
そこまで価値ある記事ではありませんが、どうかそっと見守ってください。

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