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DC バックアップ マニュアル DCPPRIP版
  投稿者:試運転
  オリジナルファイル (HTMLファイル) 投稿日時 2008年4月8日
  旧版 (TXTファイル) 投稿日時 2006年3月23日

DC - serial → RASServer → LAN計画
  投稿者:試運転
  オリジナルファイル (HTMLファイル) 投稿日時 2008年4月8日
  旧版 (TXTファイル) 投稿日時 2006年3月23日

DC の冷却に関して

  投稿者:試運転
   オリジナルファイル(HTMLファイル) 投稿日時 2008年4月8日
DC バックアップ マニュアル DCPPRIP版

素敵な DCPPRIP の使い方

ある時、何気なくググっているとすごいソフトを発見。
JJ1ODM のチャオ様開発の、DCPPRIP です!

なんと、DC のシリアルポートと、PC のパラレルポートを繋げて吸い出す
という物で、ゲームを 2 時間半で吸いだせるというスグレモノです。

今回は、それの紹介記事です。

マニュアル編

条件

  • 使用するマシンは、AT 互換機である事。
  • OS は Win98 などの 9x である事。
  • PC のマザーボードにパラレルポートが付いている事。
  • パラレルポートは、EPP または bi-direction の
    双方向モードを持っている事。
  • DC は MILCD 対応型である事。

吸出し

  1. まずは、DCPPRIP をココから DL してください。
  2. ファイルは、C:¥dcrip に置いてください。
  3. 回路図は、DCPPRIP を DL したサイトに掲載されています。
    注意!
    パラレルポートとシリアルポートをつなげる時、一番最初に
    DC の電源を最初に入れてからつながないと、DC が起動しない。
  4. dcpprip¥dc ディレクトリのツールを焼いて DC で起動してください。
    焼き方は、検索すれば分かります。
  5. 準備が整ったら、いよいよ吸出しです。
    MS-DOS プロンプトを起動。[スタート]-[プログラム]-[MS-DOSプロンプト]
  6. 起動後、

    C:¥Windows>

    と出るので、
     
  7. C:¥Windows>cd C:¥dcrip

    と打ち、Enter を押してください。
  8. GD-ROM を吸出す時は

    C:¥dcrip>dcpprip

    これで大丈夫です。

ハード制作上のポイント

a. 信号線は GND との対撚り線にする。その時、割合は 1 対 1 にする。
b. GND は、出来たら太くする。
c. 配線は極力短くし、なるべく配線の長さを揃える。
d. ダンピング抵抗は必ずつける。
e. ダンピング抵抗とプルアップ抵抗の値は、PC に合わせて調整する。
f. プルアップ抵抗は、全てに付ける方が良いが、特に STB にはつける。
g. ついでなので、商用電源の向きを合わせる。

dcpprip コマンド集

dcpprip コマンド集
コマンド 説明
dcpprip GD-ROM をすべて吸い出す。
dcpprip -i 導通試験
dcpprip -t TOC を調べる
dcpprip -t x GD-ROM の x トラックを吸い出す。
dcpprip -h ヘルプ
dcpprip -m 0,0x200000 bios.bin BIOSを吸い出す
dcpprip -m 0x200000,0x20000 flash.bin Flashを吸い出す

レポート編

というか、単にログをまとめただけです。

まずは、DKさん(ID:M2jYzAbA)の場合

使用したPC:      FUJITSU FMV C4/665
OS:               Win98SE
CPU:              PentiumⅢ667M
メモリ:           64MB
チップセット:     Intel 810E
BIOS:             ?
parallel port:    セントロニクス準拠 D-SUB25 ピンx1 (ECP/EPP対応)
                  設定は EPP

使用したDC:       ?


使用したゲーム:   SOULCALIBUR   719M 120分
                  REVIVE        660M 100分

使用した回路:     必要な回路に、74HC4066 を追加して起動時にリセット
                  出来るようにした物。

-iで応答なしのマシンもあったとの事。



お次は、丸チャンさん (ID:xiuqXhow) の場合

使用したPC:      FUJITSU FMV
OS:               WinME
CPU:              PentiumⅡ 266MHz
メモリ:           ?
チップセット:     Intel 440LX
BIOS:             ?
parallel port:    セントロニクス準拠 D-SUB25 ピンx1 (ECP/EPP対応)
                  設定は?

使用したDC:       ?


使用したゲーム:   Dream Passport 2
                  セガラリー2
                  

使用した回路:     基本になる回路

↑これは吸出しに成功。



使用したPC:      TOSHIBA Dynabook2540
OS:               Win98
CPU:              AMD-K6 333MHz
メモリ:           ?
チップセット:     ?
BIOS:             ?
parallel port:    パラレル(セントロニクス、25ピンD-sub ECP対応)x1
                  設定は?

使用したDC:       ?


使用したゲーム:   Dream Passport 2
                  セガラリー2
                  

使用した回路:     基本になる回路

↑これはとても不安定だとの事。


そして最後に、筆者の実験結果


使用したPC:      日電 VALUESTAR NX VU45L15A
OS:               Win98SE OEM
CPU:              K6-2 450M
メモリ:           128M
チップセット:     SiS 530
BIOS:             AMI ER520 ver00.01.24J
parallel port:    EPP/ECP 互換?設定はEPP

使用したDC:       後期型。ピックアップのみ前期型からの移植。
                  (韓国産のピックアップ、やたらと死亡するのは
                   何故...?既に経年劣化で3個ぐらい死亡。)

使用したゲーム:   Dream Passport 3 (詳しいバージョンは分からず...)
                  ラブひな スマイル・アゲイン   650M
                  ちょうど、友人からパクったのがあったので。

使用した回路:     基本となる回路
                  ケーブルは対撚り線にしてある。
                  基本通りに 1:1 で撚ってある。
                  でもシールドはしてない。

結果は次の通り

1 回目

BIOS と Flash は吸い出せたが、GD-ROM は途中(450M 付近)でコケた。
-t オプションを使い、コケたトラックだけやり直そうとしたが、
結果は同じ。

2 回目

もしやと思い、OS を再インスコしてまた吸い出してみる。
しかし、何度やっても途中(250M 付近)でコケた。

3 回目

まさかとは思いつつ、今度は DP3 を吸い出してみる事に。
結果、2 時間半ほどで吸い出せた。

くやしいので前回のゲームを吸い出してみるが、またコケる。(450M付近)
だが、昔シリアルポートで吸い出せたのでリードエラーは無いはず。

ちなみに、この時 DC の電源を入れる前にケーブルを繋いでおいたのだが、
起動しなくてあせった。

4 回目

どうやら、DC 側に何かあるようなので、弄くりながら吸い出してみる。

結果、GD-ROM ドライブを前期型に変えてもまたコケる(850M 付近)
電源も、出っ張りのあるやつ、ないやつを変えてやってみたが
これは変化なし。

しかし、出っ張りのないやつをアナログテスターで調べてみると、
出力がふらふらしている。どうもある程度負荷がないと安定しないらしい。
負荷をある程度以上にするようにした方が良いのかも?



以上、人柱たちの記録でしたw
こうして記録を見てみると、なんだか要求される条件がシビアですね。

dcpprip の生みの親であるチャオさんによれば、手軽に早く吸い出す事を
目標に作られたそうですが...。

なぜこんなにシビアなのでしょう?
どうせなので、一緒にその疑問を解いていきましょう。

(素人が書いてるので鵜呑みしないように。)

Win9x でのみ動く、その理由

作者のチャオ様曰く、次のように述べられています。


> 動作OS はプリンターポートを直接たたく都合で Win9x系のみです。
> (giveIO のよう物もありますが物凄く遅くなりそうなのでNT系は
> 諦めました)


Windows マシンでは普通、ハードを操作する時には win を介して
操作します。win を介せずにハードウェアを直に叩く事は、
本来は禁止されています。
(誤解されがちですが、MS-DOS も同じです。)
ですが、直に操作する事も不可能な訳ではないようで、実際 dcpprip も
直に操作しているようです。
直に操作すると機種依存(!)が絡んでやっかいになりますが、
昔は、速度を稼ぐ為に敢えてやる事がありました。

こう説明されると、WinXP をはじめとした NT 系でも動くんじゃないか?
と思いますよね?ところがそうは行きません。

最初、MicroSoft は BASIC を販売していました。
のちに IBM の依頼により、PC-DOS を製作します。
これが後に全世界で 1 億本販売された、MS-DOS です。

元々この MS-DOS というのは、現在主流の PC/AT 互換機のご先祖様に当たる
IBM PC ファミリ用に製作された物で、本来は同ファミリでなければ
動かす事はできませんが、かつては、同じ x86 アーキテクチャの CPU を
用いている NEC の PC-9800 シリーズ、富士通の FMR/TOWNS シリーズでも
各社、移植していました。 (共に販売終了)

今では Mac もそうですが、あれは BIOS ではなく EFI を用いているので、
MS-DOS を動かす事は、不可能か相当な困難がある事が予想されます。


この MS-DOS、保護機能だとかチェック機構だとかの類は
ほとんど実装されていませんでした。
(当時の技術ではそうせざるを得ませんでした。)

で、MS-DOS Ver3 の頃に初代 Windows が発売されます。
Mac や、NEC の PC-100 の影響で作られた、と言われています。
これと互換性を持たせて設計したのが 9x 系 Windows で、
その関係上、MS-DOS 時代のように直叩き出来る、というわけです。

一方、NT 系は Windows3.1 の頃に最初の WindowsNT 3.1
(DOS 系 Windows とバージョンを合わせてある) が発売されました。
この NT 系は、DOS との互換性を考えて作ってある為に固まりやすいと
言う欠点を持つ 9x 系 Windows に変わる新しい Windows として開発され、
MS-DOS を起源とする 16bit コードを削除しつつも、
保護機能やチェック機構が 9x 系より強化されています。
当初はどのアーキテクチャにも移植できるよう、設計されていました。
(但し、Win2000 以降は x86 系向けしか販売していません。)


つまり、9x 系はチェックが甘いからヤリ放題だが、NT 系はチェックが
厳しいから手を出す事は困難、という事です。
dcpprip のようなツールにとっては迷惑な話ですが、
安定性が良くなったり、機種依存性が低くなるので、
なんとも言えません。


(!)機種依存

身近な例で書くと、PS3 のゲームって PC じゃ遊べませんね?
その逆も出来ませんね?こういうのを機種依存といいます。


抵抗は何の為にあるのか?

作者のチャオさん曰く、100ohm の抵抗はグランドバウンス対策、
1.5Kohm はプルアップ抵抗だそうです。

よく分からないのですが、グランドバウンス対策というのは
どうやら信号についている「トゲ」をとるのが目的のようです。
50ohm から 200ohm の間で最適な値を求める必要があります。

プルアップというのは、電位(電気的な位置エネルギー)を高い状態
で維持しておくのが、目的のようです。
チャオ様は特に STB にはつける事を推奨しています。
理由はオープンコレクタ信号だから、だそうです。

PC のパラレルポートが、ご機嫌斜めで通信できない件。

不安定な時、ドライバを止めれば OK!という時もあれば、
実装の仕方が違う為なので、対処不可能という時もあるとの事。
そんなに違うものなのかと筆者は思ったのですが、実はある落とし穴が
あるのです。

よく、xx 準拠って書いてあると思いますが、この「準拠」という
のが曲者で、意味は真似て作っただけよ、という意味です。
つまり、本来あるはずの信号が省略されていても
信号が規格に合致しておらず基準以下の精度でも、
bios 等の実装がカスでも「準拠」になります。
そのため、万一うまく行かなくても文句は言えません。

一般に売られている PC は、どの規格にも大体「準拠」です。
「相性が悪い」といわれるのは、準拠であるが為に起こる現象です。
とても面倒です。

これら以外に通信が不安定な機器では、
「I/O の範囲」が2つ表示されるという現象が確認されています。

I/O の範囲 0378 - 037F
I/O の範囲 0778 - 077F

調べてみると、これは BIOS の設定で「EPP/ECP モード」というのが
ある時、それが実際には単なる ECP モードだ、という時の現象のようです。

詳しく書くと、ECP モードはいくつか切り替えが可能で、
0x77a の上位 3 ビットを使って切り替えています。
その中には、EPP をエミュレートするモードがあるので、
それが原因となってしまってしるようです。

こうなると諦めるしかないようです。

なんで dcpprip はコケやすいのか?

チャオ様から、その理由を教えていただきました。

先程のダンピング抵抗とかぶるのですが、ひとつは、SH4 の信号をそのまま
使っているという事。実は DC のシリアルポートというのは、SH4 の
SCI インターフェースをそのまま使っているらしいです。

SH4のみならず殆どの CPU では、信号線の種類は基本的に 1 種類しかなくて、
それを相手に合わせてウェイトをかけて調整しているんだそうです。

勘の良い人はお気づきになると思いますが、
メインメモリとのやりとりも、同じところで扱っています。

つまり、管理が大変難しいんですね。
管理に失敗するとそれこそ、玉突き事故になってします。

もうひとつはパラレルポートの波形です。
パラレルポートは、本来はプリンターと繋ぐものです。(当たり前)
間違っても SH4 のようなデリケートな物と繋ぐ事なんて考えていません。
なので、パラレルポートの品質はピンからキリまであり、品質がよければ
かなり綺麗なんですが、手抜きしているとそれはもう、汚いです。

これを SH4 でも受け付ける信号にするには CPLD を使って回路を
組まないといけないそうです。

また、供給されているクロック周波数の違いにより、
コケやすくなっているようです。



どうですか?なんだか難しそうだと思いません?

これら全てを考えながら作られているのが DCPPRIP です。
あまりに無理なお願いするのは止しましょうね



編集後記

DCPPRIP が開発されたのは、2005 年 10 月の事でありますが、
当時、まさか新しい吸出し法が開発されるとは!!と、驚いていました。

あれから 2 年以上が経ちましたが、今、チャオ様は壮大な
プロジェクトを行われています。

それは、BBA のクローンを作るというもので、現在は PCI バス
周りの配線がひと段落した段階だそうです。
まだ、ping などに反応しないとの事で、苦労されているようです。

これは並大抵の技術で出来るものではありません。
相当高い技術をお持ちであるからこそ、挑戦できるんでしょうね。

BBA クローン開発の成功を祈って、編集後記とさせていただきます。

Copyright (C) 試運転

DC - serial → RASServer → LAN計画

DC と LAN を接続してみる

生産が終わってもう 7 年経ち、修理も出来なくなった
Dreamcast ですが、今でも熱心なユーザーがいらっしゃいます。
その中には、過去にネットワークに接続していた方もいるでしょう。
接続する度に、大変苦労された事と思います。

が、それも過去の語り草、今ではネットワーク接続機能は
無用の長物と化してしまっています。

しかし、せっかくの接続機能です、もう一度ネットワーク端末として
復活させませんか?五月蝿さと少し遅い事を我慢すれば、電気代削減も
可能です。どうです?有効活用しませんか?

だからといって電話線に繋いでたんじゃ、面白くありませんし、
なにより、速度も電話料金も納得いくものじゃありません。

BBA やそのクローンがあれば、そんなのはすぐに解決できるのですが、
いかんせん、イニシャルコストがかかりすぎます。ブラウザの確保も
今となっては困難を極めます。

じゃぁ、他にどんな方法があるのか?
巷では、Windows の着信接続機能と TA の内戦通話機能を使った方法や、
CR2000 のような擬似交換機を使って LAN に繋げるという方法が
紹介されていますが内蔵モデムを使う為、速度面で不利です。

今回は、速度面で不利な内蔵モデムは使いません。では、何を使うのか?
そう、シリアルポートと RAS サーバです!

これを使えば、BBA を使わなくとも LAN に接続する事が
出来ます。
ブラウザが DP3 に限定(シリアルポート設定の関係上)されてしまって
入手が難しいと思いますが、BBP に比べれば容易だと思いますので
どうにか頑張って入手してください。

この記事を応用して 56Kbps のモデムを繋ぐとか、寮に入ってて
電話回線使えない人は PDC 使ったりしてくださいw

ケーブル製作

ケーブルの回路図は次の通り。
基本的には、吸出し用ケーブルにいくつかの変更を加えたものです。

     Serial port(Modem)                              DC Serial Port


               十--------------------------------十             十十
               |十----------------------------十|          0.1=|
               ||        十---------------十-||-------------十|
   十----------||十   0.1=               | ||             ||
   |  __-- ̄||||      | 十----------十| ||             ||
   | |    1||||   十-|-|1       16|十 ||      /---十||
   十-|6   2|十||0.1= 十-|2       15|---||-十   | 1 |十|
  十--|7   3|--十|   十----|3       14|---十| |   | 2 |  |
  |十|8   4|----十     十--|4       13|-----十 十---| 3 |--十
  |||9   5|-十     0.1十=|5       12|-------------| 4 |
  ||  ̄--__|-十         十-|6       11|-------------| 5 |
  十|------------------------|7       10|-------------| 6 |
    十------------------------|8        9|-------------| 7 |
                |         | 十----------十      十-----| 8 |
                |      0.1=                     |     | 9 |
                |         |                     |     |10 |
                十---------十---------------------十-----\---十


  =…コンデンサ。0.1μFは積層セラミックコンデンサ。
  端子のピンアサインは、基本的に本体側。
ピンアサイン表
ピン番号 EIA-232C DC シリアルポート
1 DCD 5V
2 TXD SCK(外部クロック入力)
3 RXD GND
4 DSR RX
5 GND TX
6 DTR RTS
7 CTS CTS
8 RTS GND
9 RI /Reset
10 - 3.3V

問題があって、DC 側で定義されていない DCD 信号を生成しなくては
いけない事です。

DCD 信号とは、搬送波検出信号の事なんですが、
搬送波の事に関しては専門書に譲るとして、DCD 信号がないと接続した事を
認識できない TA やモデムがあるようです。

もし、そういうモデムがあったら、モデムから出ている
DTR を繋げば良いようです。

レベルコンバータですが、MAX232 でも、その互換品でも良いでしょう。
ただ、どうせなら ADM3202 のような高速通信対応のものにしておくと
後々便利でしょう。
なぜなら、DP3 では 460kbps 迄対応しているからです。
(かの有名な bero 氏によれば、ハードの上限は 1.5Mbps らしいです。)
もっとも、RAS サーバ側が遅ければ意味がありませんが。

RAS サーバ

次に DC と RAS サーバをつなぐ訳ですが、PC を RAS サーバにしたくないですね。
すごい電気代かかるし。
しかし、当初は他に良さそうな方法がなかなか見つからず、
この計画で一番苦労しました。(1 年近くほったらかしになっていた。)

ある時、何気なくネットを徘徊していると、YAMAHA の RT シリーズには
擬似 LAN 機能という、シリアルポートを仮想的に LAN のように扱う機能が
あるというじゃありませんか!じゃあこいつを使って…
と思いきや、ISDN との接続方法しか書いてありません。

さてどうしたものかとググっていたら、
こんな素敵な情報をキャッチ。これで LAN に繋げる事が出来ます。

都合よく RTA50i が入手できたので、これを使ってみます。
マニュアルは HP にあるし、設定も ブラウザ か
telnet から出来るので、本体だけの入手でもOKです。

さて、まずは RTA50i の設定をしてしまいましょう。基本的な設定は省略し、
直接関係する設定のみ載せます。

次の文を、ブラウザでログインして出てくるトップページの下にある
「内部情報」というところに、テキストで設定するところがあるので
そこに以下の文を貼り付けてください。
当然の事ながら、IP アドレス等は自分の環境に合わせて書き直す事。
私の場合は、先程の情報とは異なります。

ip lan address 192.168.1.2/24
ip lan secondary address 192.168.0.1/24
ip lan proxyarp on
ip route default gateway 192.168.1.1
dns server 192.168.1.1
dhcp service server
dhcp scope 1 192.168.1.2-192.168.1.3/24
analog supplementary-service pseudo call-waiting

設定を行う時、ユーザー名を必ず設定してください。そうしないと、
DP3 で設定が行えません。

Dreamcast

いよいよ最後のDCの設定に移ります。一旦isaoにユーザ登録してください。
行わないとネットワーク自体に繋がりません。
ユーザ登録したら、次のように設定します。

  • DP3 の設定の中の「むずかしい設定」で、シリアルポートを
    使えるようにします。速度は RTA50i の関係で 230kbps までです。
  • プロバイダーは「ユーザー任意のプロバイダー」を選びます。
  • APの設定になったら、「****」を入力します。
  • ログイン ID の設定では擬似 LAN 設定時のユーザ名を入れておきます。
  • DNSサーバは、擬似 LAN 設定時のものを入れます。
    この場合は192.168.1.1です。
  • メール関係は必要なら入れて、必要ないなら空白で大丈夫です。
  • そしてこの設定を保存すれば完了!のはずですw

もし仮に繋がらなかったとしても、筆者に文句を言わないでください。
この記事は過去の記録に頼ってるんで m(_ _)m



編集後記

製造が終わって 7 年経つ DC で、こんな面倒な事をして大喜びしながら
ブラウジングした馬鹿は、多分私だけでしょうねw
もう Dreamcast の通信対戦はすべて死んでしまっているようなので、
そこまで価値ある記事ではありませんが、どうかそっと見守ってください。

Copyright (C) 試運転

DC の冷却に関して

DC を静かにしてみる

製造が終わってもう 7 年経ち、経年劣化が心配な
Dreamcast ですが、まだゲームをやっているという方や
SH4 の開発プラットホームとして使用している方も
いらっしゃると思います。で、アレには悩まされていると思います。

アレとは...ファンの爆音です。おかげで、夜中にゲームや開発が
出来ないなんて状況じゃありませんか?

今回は DC を少しでも静かに使おう、という構想です。

静音化というと、ハードに何らかの負担を強いるような改造を施している
方がいますが、今回は冷却の効率を上げる事により静かします。

熱の伝わり方

ではまず、熱に関する定義(?)から整理していきましょう。
みなさんがよくご存知なのは、熱伝導率くらいだと思います。
実際、雑誌などでもその事が中心です。
しかし熱伝導率は、熱伝達というものの一項目にしか過ぎません。

熱の伝わり方は、伝導、対流、放射の 3 つがあり、これを
まとめて熱伝達というのですが、その中で伝導は、一つの物質内での熱の
伝わりやすさを示す熱伝導率、固体と流体の熱の伝わりやすさである
熱伝達率などの事を示します。
熱対流は、空気などの流体内で熱が移動する事を示し、
熱放射は、熱が電磁波となって移動する事を示します。

ヒートシンク

では、これらの事がヒートシンクを選定する上において、どのように
影響するのでしょうか?

高性能ヒートシンクの材料として思い浮かべるのは、おそらく銅ですね?
確かに熱伝導率だけを考えれば、それは正解でしょう。しかし、
熱伝達率も考えるとそうはいきません。銅は空気に触れると酸化します。
詳しい資料は発見できませんでしたが、酸化すると熱伝達率はかなり下がる
ようです。また、それを防止する為にめっきを施すと一般的には
そのめっきの材料の熱伝導率が良くない、という問題があります。

しかし、熱伝導率は良いのですから、活用したいところですね。
空気に触れず、熱を伝えなくてはいけない所...そう、ヒートスプレッダ
という役割が一番適しているのです。

では、ヒートシンクの材料は何が良いのでしょう?意外にも、アルミが
一番お手軽だったりします。アルミであれば、加工が楽な上に、
アルマイト処理により熱伝達率向上が望めます。黒色アルマイト処理なら、
熱放射の性能向上も期待できます。

色が関係あるのかよ!?と思われるでしょうが、これが関係あるんです。
色彩検定を受けた事のある方なら分かると思うんですが、完全に黒い物
を黒体といって、性質上、光や電磁波を完全に吸収、放出できるんです。
実際にはそんな物体は存在しませんが、黒っぽくする事により熱放射
しやすくなるんです。身近な例で例えると、黒い服って暖かくなりやすい
ですよね?それを逆にしてるんだ!と思うと分かりやすいと思います。

建築では逆に、屋根など地面と平行な部分を白く塗る事が流行っています。
これは太陽からの熱放射を避けるためで、最高で20度ほど躯体温度が
下がるようです。もっとも、この用途の塗料は普通の塗料ではないので、
色の影響だけではないですが...。

材料が決まったら今度は形状ですが、形状により冷却性能が違う事は
有名ですね。設計により異なるようですが一般的には、
ピン型でピンが丸い物、が良いとされています。
どうやら、比較的均等に熱が行き渡るからというのが理由のようです。

ピン同士の間隔はというと...もし自然換気に頼るのであれば、
間隔は広くとらねばなりません。なぜか?
それは、ピン表面が空気境界層というもので覆われていて、層内での対流
により熱を伝えているのですが、自然任せだと限度があるからです。
機械換気の時は、ピン間隔はせまくても大丈夫です。

風道

ヒートシンクが決まったら今度は風道です。これにもいくつかポイント
があります。換気口には角がない方が良い事は皆さんご存知なんですが、
無闇に穴を開けたり、風道が狭すぎても広すぎてもダメ、というのは
あまり知られていません。

どういう事なのか?両方とも風速に関係してきます。
物体を空気で冷やすには、風速がないと冷やす事が出来ません。
風量が増えても冷えますが、それは互いに関係しているからです。
風量と風速の関係を簡単に説明するなら、次のようになります。

まず、ストローを思い浮かべてください。ストローを使って飲み物を
飲んでいるとします。もし飲むスピードを上げたかったら、どうしますか?

1. もっと勢いよく吸い込んでみる。
2. ストローを太くしてみる。

この例をそのまま、水から空気に置き換えてみてください。
1 の場合は、風速があがる
2 の場合は、風量が増える
という事になります。

ファン

Dreamcast の場合、自然換気のみで冷却するのはかなりの困難
が予想され、なによりもう修理の出来ないのですからちゃんとファンを
お付けになる事を推奨します。

で、本当ならどういうファンが良いかをお伝えしたいところなんですが、
私にはそれに関するような専門知識(例えば、流体力学とか航空力学)
は持ち合わせていません。なので私にも分かる、dB の事についてだけ、
少しお話しようと思います。

たまに雑誌などでは、dB を計っても個人差があるのであまり参考
にならない、という意味の事が書いてあったりします。
確かにある意味では正解なのですが、少し短絡的でもあります。

ファンの騒音レベル表示はどこのメーカでもしてあるのですが、表記に
dB とdB(A)の 2 種類が混在しているようです。
実は A にはちゃんと意味があり、A 特性の事を表しています。

この A 特性だと、騒音測定時にその結果が人間の聴覚に近い
等ラウドネスレベル曲線の 40phon 曲線に合わせた補正が
なされています。したがって、こちらの方がより正確な判断が
期待できます。

もっとも、周波数により数値が変わってくるので、絶対という訳では
ありません。参考までに...人間の聴覚は 3,000Hz 付近が最も敏感です。

これら以外にも、熱貫流や熱反射なども考慮すべきなのでしょうが、
そこまでやったところで、影響はほとんどないと思われます。

以上が、基本的な知識となります。
分からない時は、私の説明が色んな意味で間違ってるせいだと思うので、
専門書などをお読みになる事をお勧めします。

では、そろそろ改造に移りましょうか。

材料

  • 殺しても構わないDC 1台
  • 高さ 10mm 未満、40mm 角と 50mm 角の黒色アルマイト処理された
    ヒートシンク(接合面がなるべく平らな物)1 つずつ
  • 静かなファン 1 個
  • ダクトの材料 適量

いざ改造

今回の改造は簡単ですが、かなり大胆です。
ケースのネジを外す時、一つはモデムの陰に隠れてますので
注意してください。

完全にばらしたら、ケースの加工をします。
シリアルポートなどがある面を見てください。
ここに通気口がありますね?ここの保護柵を破壊します。
その時、角を丸く整形しておくと良いでしょう。
そして、シールド板のうち、この保護柵を覆ってしまう部分を撤去します。

お次は、ヒートシンク関係を弄ります。

SH4 とか PowerVR2 との接合面は、標準では熱伝導シートが
付いていますが、これを撤去し、シリコングリス
(何でも良いが、密着させる事を考えると下手に銀入りとか使わない
方が良いのかも。)を塗った上で、40mm 角のヒートシンクをSH4へ、
50mm 角のヒートシンクを PowerVR2 に載せるわけですが、
そのままじゃ、シールド板や GD-ROM ドライブとぶつかります。

なので、塗る前にシールド板とヒートシンクを現物合わせで
適当に加工してください。
ヒートシンクのピンを出来るだけ残す事。
シリコングリスを塗るときは、真ん中にちょこんと乗せ、
そいつを押しつぶしてやると、空気も入らず良いでしょう。
また、横から少しはみだすぐらいの量を乗せましょう。

さて、加工できたら組み立てますが、この時コントローラポートの
部分の灰色のプラスチックは、はめずにそのままおいておきます。

こうする事により、流路抵抗が低くなって静かかつよく冷える
ようになります。
(ちなみに、発熱が平均的な機器の場合は、換気口は対角線上に
設けましょう。そうする事で、対流による換気が望めます。)

組み立てると、ファンがなくて自然冷却の形になってしまいますが、
このままでは安定した動作は望めないと思うので、
最後に新しくシリアルポートがある面にファンを設置します。

私はファンを設置する際、初めは吸い出す方向で設置しました。
しかし負圧が大きすぎるからでしょう、換気が出来てない様子でした。
そこで、押し込む方向で設置してみると...かなり改善され、コントローラ
ポート面から風が感じられる程になりました。DC の場合は、押し込み
(建築で言う所の第二種機械換気)にすると良いようです。

押し込み型で大丈夫というのはとてもラッキーだと思いました。
なぜなら、ファンにフィルタを付ける事により、機械内部への埃の進入を
抑える事が出来るからです。事実、半導体製造工場や手術室などでは、
第二種機械換気を基本とした換気方法が用いられています。

ファンと通気口をダクトで繋ぎますが、ファンと通気口は最低でも 30mm は
距離を空けて下さい。そうしないと負圧が大きくなりすぎて、
騒音が大きくなります。
また、ダクトとは直にくっつけないでゴムシートを挟んだりすると
より幸せになれるでしょう。

ちなみに余談ですが、このゴムを挟んでネジなどで止める時、
かなり調整がシビアです。
閉めすぎるとネジが音橋になって振動を伝えますし、緩すぎると
不要な振動が発生します。

これは、調整して丁度良い状態を見つけ出すしかありません。

ファンの電源は可能ならDC内部のファン用の 5V で良いです。
調整したいならファンコンとか外部電源が必要ですが...。

私の場合、使ったファンがうるさかったので鉄道模型用の電源を介して
駆動しました。

最後に、DC 本体を設置する時に本体の下に通気用の
スペースを設ければおしまいです。

ついでに GD-ROM ドライブも改造

せっかくです、GD-ROM ドライブの騒音対策も行ってみましょう。
このドライブ、やたらうるさいと思いませんか?

最初、私はこの音がギアが噛む音だと思いました。しかし、よく調べて
みると、ブラシモータである為に大きい騒音が発生していて、さらに、
制御が PWM 方式なのが拍車をかけているようです。参考
また、回転数が高い為に強烈なモーメントがあるのも問題です。

しかし対策をするとなれば、重心と剛心の位置あわせ、ドライブ自体を重量が
大きなもので作り直して遮音する、航空機の 2 重反転プロペラのような、
モーメントを軽減するような機構の設置などがあり、とても簡単には
出来ません。

そこで、簡単な改造のみ行ってみようと思います。

まずは、スピンドルモーターを止めている接着剤とかネジを外します。
ネジを外すと、円筒型のスペーサーが出てきませんか?
このスペーサーの代わりにゴムブッシュを挟んでやると良いでしょう。
ただし、ディスクを止めるハブの高さには注意してください。
低すぎると、ディスクをキズだらけにします。(経験者談)

そして、吸音用のスポンジを出来る限り張ってやると、
不要な反響を抑える事が出来るんじゃないかと思います。
本当は遮音をしなければ、吸音材を張った所で意味がありません。
なぜなら、吸音材自身の透過損失が低くて遮音は出来ないからです。
ほんと無駄なんですけどね...まぁ、気分的なものです。

後期型の場合

後期型の場合、ファンを撤去するには、さらなる工夫が必要です。
後期型の場合、本体がファンを監視していて、外すと即ハングします。
タコジェネをエミュレーションするといいでしょう。

JJ1ODMのチャオ様から、後期型で必要な偽タコジェネ回路と参考写真を
ご提供頂きました。チャオ様によると、タコジェネからは約 3.2mSEC 周期
のパルスが出ていたそうです。



編集後記

この記事の初版を書いていた頃、初期型の Dreamcast を一台潰して
実験していました。今では、その時の機体は解体済みですが、その後も
何台か DC を買って実験を重ねました。

初版では死ぬほどモータがうるさいと書きましたが、その時に使った
DC のモータのブラシと軸受が逝きかけてたのが原因だったようです。

使用時間が短い機体は若干マシですが、それでもっやぱり静かとは
言い難いです。モーターの換装しかないんでしょうが、下手に変えて
ドライバ IC が発火したとか、シャレにならないしなぁ...。

しょうがない、そのうち防音ケース作るかな。

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